重要なポイント
- 米国のインフレ率とFRBの期待: 米国のインフレデータが弱かったため、FRBが積極的な利上げに踏み切る可能性が低下し、ユーロ/米ドルを下支えしている。
- 技術レベル: 1.0910-1.0915のレジスタンスと1.0870-1.0865のサポートが同ペアの方向性を決定する上で重要となる。
- ECBとPPIデータ: ECBの金融政策声明と米国のPPIデータが重要なドライバーとなる。ECBがハト派的な姿勢を示せばユーロは上昇し、PPIデータは米ドルに影響を与えるだろう。
市場動向と直近のパフォーマンス
EUR/USDペアは勢いを増し、先週は1.0900レベルをわずかに上回って取引を終えた。このパフォーマンスは、米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げの可能性を低下させる弱い米インフレデータなど、様々な要因が重なったことで後押しされた。消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%低下、コアCPIは0.1%の上昇にとどまり、いずれも市場予想を下回った。この軟調なインフレ・データにより、米ドルは激しい売り圧力にさらされ、ユーロの上昇を後押しした。
テクニカルおよびファンダメンタル要因
テクニカル面では、ユーロ/米ドルペアは、1.0910付近の1ヶ月のピークからの小幅なプルバックにもかかわらず、現在強気の可能性を示している。同ペアは最近、50日、100日、200日単純移動平均線(SMA)で構成される1.0800の合流ハードルを突破し、ポジティブな見通しを強めている。4時間足チャートのRSI指標は70を上回り、テクニカル的には買われすぎだ が、強気のモメンタムを維持していることを示唆している。
ファンダメンタルズの観点からは、米連邦準備制度理事会(FRB)を取り巻くハト派的な期待が米ドルの上昇を抑制している。市場は現在、FRBが9月に政策金利を据え置く可能性が高いと見ており、これがユーロ/米ドルを下支えしている。対照的に、欧州中央銀行(ECB)はタカ派的なスタンスを維持すると予想されており、ユーロをさらに押し上げている。
今後の見通し
今後の注目は、ECBの金融政策声明と米国の生産者物価指数(PPI)である。特に、最近の経済指標がユーロ圏の先行きの混迷を示唆していることから、ECBの金利とインフレに対するスタンスが極めて重要となる。0.1%の上昇が予想される米生産者物価指数(PPI)も重要である。予想を下回れば米ドルをさらに圧迫する可能性がある一方、予想を上回れば米ドルの底堅さが維持されるかもしれない。
主なテクニカルレベルとしては、1.0910-1.0915のレジスタンスエリアが挙げられる。このレベルを上抜けした場合、ユーロ/米ドルは1.0960-1.0965付近まで上昇し、1.1000のサイコロジカルマークを回復する可能性がある。下降局面では、1.0870-1.0865付近がサポートとなり、1.0800の合流ゾーン付近が追加サポートとなる可能性が高い。このサポートを割り込むと、1.0755-1.0750の水平ゾーン、そして6月の安値である1.0665付近へと引きずり込まれる可能性がある。