主要ポイント
- 金価格は、ドル安と期待外れの米経済データから恩恵を受け、数週間ぶりの高値まで急騰した。
- テクニカルな見通しは強気で、金は主要な移動平均線を上回り、RSIもプラスのモメンタムを示している。
- 当面のレジスタンスは$2,390と$2,400で、サポートは$2,340-$2,330あたり。
- 今後発表される米消費者物価指数(CPI)とパウエル議長の証言は、金の短期的な方向性を形成する上で極めて重要だ。
- FRBがハト派的なシグナルを出す可能性があり、インフレ・データも軟調なものであれば、さらに上昇する可能性がある。
市場動向と直近のパフォーマンス
金価格は、様々な経済・地政学的要因による市場心理の変化に伴い、数週間の高値を更新し、上昇基調にある。先週、金価格は$2,380を超えて上昇したが、これは米国のマクロ経済データが失望的なものであったことを受け、ドルが幅広く軟調に推移したことが要因となっている。ISM製造業PMIは48.5に低下し、インフレ構成要素である支払物価指数は急低下し、インフレの冷え込みを示唆した。さらに、欧州中央銀行のフォーラムでパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、ディスインフレの傾向が再開する可能性を示唆するコメントを発表したことで、ドル安がさらに進み、金の支援材料となった。
テクニカルおよびファンダメンタル要因
テクニカル面では、金の短期見通しは強気のようだ。金は3日連続で50日および20日単純移動平均(SMA)を上回り、相対力指数(RSI) は60に向かって上昇した。これは強気のモメンタムの高まりを反映している。$2,390が当面のレジスタンスとなり、$2,400がさらなるレジスタンスとなる。金がこれらのレベルを上回り、サポートとして確認されれば、史上最高値の$2,450を目指す可能性がある。
下値では、20日SMA、50日SMA、フィボナッチ23%リトレースメントが収束する$2,340-$2,330付近がサポートされている。この水準を下回れば、短期的な反転を示唆する可能性がある。
ファンダメンタルズ面では、来週の取引は6月消費者物価指数(CPI)やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の2日間にわたる議会証言など、主要な米経済指標の影響を受ける。消費者物価指数(CPI)は、ヘッドラインCPIが0.2%上昇し、コアCPIは横ばいと予想されている。インフレ率が予想を下回れば、FRBの利下げ観測が強まり、金の支援材料となる可能性がある。逆に、インフレが強まれば、利下げ観測が後退し、金相場の重荷になる可能性がある。
今後の見通し
来週の焦点はパウエル議長の証言と米消費者物価指数(CPI)だ。パウエル議長の発言は今後の金融政策の手がかりとして注目され、米消費者物価指数(CPI)はインフレ動向に関する洞察を提供する。市場参加者は、パウエルがハト派的なシグナルを出す可能性を予想しており、インフレデータの軟化と相まって、金の上昇モメンタムを支え続ける可能性がある。しかし、経済データやFRBのレトリックに予想外の変化があれば、ボラティリティが生じる可能性がある。