主要ポイント
- EUR/USDは先週、1.1550〜1.1685のレンジで推移し、約1.1630で週を終えた。
- 短期モメンタムはRSIが45付近、MACDはゼロを下回って横ばいで推移しており、弱気バイアスの弱まりを示唆している。
- テクニカルサポートは1.1580および23.6%フィボナッチの1.1560に位置。レジスタンスは1.1650、1.1685、1.1750が控える。
- ECBの政策据え置き姿勢と、データ依存型のFRBの強さがドルの堅調さを支えている。
- 今後はECB関係者の発言、ユーロ圏の景況感指標、米耐久財受注が次の相場方向性を左右する見込み。
市場動向と直近のパフォーマンス
EUR/USDは先週、1.1550〜1.1685の狭いレンジで推移した。これは、ドル買いの支えとユーロのわずかな強含み材料が拮抗した結果を反映している。 ペアは週の安値となる1.1555まで下落した後、1.1650付近まで反発し、最終的に金曜日の終値は約1.1630で引けた。 この狭い取引レンジは、控えめなマクロ経済指標と間近に迫る中央銀行会合を前にしたトレーダーの慎重な姿勢を示している。 ボラティリティは低水準にとどまり、平均真幅(ATR)は前週比で約15ピップス縮小した。
テクニカルおよびファンダメンタル要因
EUR/USDは現在、50日単純移動平均線(約1.1625)直下で推移しており、過去5営業日の間に2度の上値抑えとなっている。長期の200日移動平均線は約1.1450に位置し、4月以降の広範な上昇トレンドは依然として維持されている。 短期モメンタム指標では、日足のRSIが45付近で推移し、ニュートラルを下回るものの売られ過ぎ圏内ではない。MACDヒストグラムは依然マイナス圏だが横ばいで、弱気圧力の後退を示唆している。 直近のサポートは1.1580(最近のスイング安値)に位置し、続いて7月上昇の23.6%フィボナッチ・リトレースメントの約1.1560が控える。 一方、上値抵抗は1.1650にあり、これを突破すると61.8%リトレースメントの約1.1710および節目の1.1750が次のターゲットとなる。
欧州中央銀行(ECB)が政策金利を2.15%で据え置いたことはユーロの軟調を支える要因となっている。市場は年内の追加緩和の可能性を見極めようとしているためだ。 一方、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め姿勢はドルを支え、7月の米小売売上高が予想を上回り、週次の新規失業保険申請件数が数ヶ月ぶりの低水準に落ち込んだことがその裏付けとなっている。 地政学的リスク、とりわけ米国による欧州製品への関税再交渉が断続的に安全資産への資金流入を促し、ユーロの上値を抑制している。 総じて、ECBの慎重姿勢と米国経済の強さの綱引きが相場動向の主軸となっている。
今後の見通し
今週の主要な注目材料は、ECB総裁の講演やユーロ圏の消費者信頼感指標、米国の耐久財受注および住宅着工件数となる。 1.1685〜1.1700のレンジを明確に上抜ければ、1.1750への上昇が期待される。特にユーロ圏の景況感を示す企業調査の改善がさらなる追い風となる可能性がある。 一方、1.1580を割り込むと、200日移動平均線や5月の反転安値が位置する心理的節目の1.1500付近までの下落リスクが高まる。 また、米欧間の関税交渉の動向にも注意が必要で、交渉の悪化はドルの安全資産買いを促し、EUR/USDの下押し要因となり得る。