主要ポイント
- XAU/USDは先週、$3,330〜$3,370のレンジで推移し、週末は約$3,350で取引を終えた。
- チャート構造では、21日および50日移動平均線が約$3,330にサポートを形成。レジスタンスは23.6%フィボナッチの$3,377、$3,400、$3,440に位置。
- 日足RSIは50をわずかに上回り、MACDはプラスに転じており、低ボラティリティ下での弱い強気モメンタムを示す。
- FRBはハト派的な発言と根強いインフレ指標の綱引きで、市場の利下げ期待に不透明感が残る。
- 今週の注目材料は、FRB関係者の講演、米小売売上高、失業保険申請件数、そして米欧/メキシコ間の関税交渉の動向。
市場動向と直近のパフォーマンス
金は先週、狭いレンジで推移し、$3,350付近で小幅に下落して取引を終えた。$3,370付近への短期的な上昇はあったものの、米国の強い経済指標が近い将来の利下げ期待を抑え、上値を維持できなかった。 週を通じて、日中の安値はおおむね$3,330付近で推移。安全資産需要の高まりとドルの強さが拮抗し、調整局面にあることを示している。
テクニカルおよびファンダメンタル要因
チャート上では、XAU/USDは21日および50日単純移動平均線が$3,330付近で収束し、堅固なサポートを形成している。長期の200日移動平均線は約$3,070に位置し、現値を十分に下回っている。 日足のRSIはニュートラルの50をやや上回って推移。MACDヒストグラムは直近の強気のゴールデンクロス後にプラス圏に入り、緩やかな上昇モメンタムを示している。
直近のレジスタンスは、4月の上昇に対する23.6%フィボナッチ・リトレースメントの約$3,377付近に集中している。これに続き、節目の$3,400および$3,440付近の静的な供給ゾーンが控える。 一方、下方では$3,310を明確に割り込むと、38.2%のリトレースメントである$3,297が視野に入り、先月の安値$3,283への下落リスクが高まる。
ファンダメンタルズでは、FRB理事クリス・ウォラー氏のハト派的な発言を受け、米国債利回りが一時的に低下し、金の魅力が高まった。 しかし、ヘッドラインCPIが前月比0.3%上昇し前年比2.7%、コアCPIはほぼ2.9%で推移するなど、インフレ指標の混在により金融緩和の時期と規模に不透明感が強まっている。 一方、米小売売上高が予想を上回り、初回失業保険申請件数が数ヶ月ぶりの低水準に落ち込むなど、強い経済指標がドルを支援し、金の上値を抑制している。 また、欧州連合(EU)およびメキシコからの輸入品に対する30%関税の懸念が断続的に安全資産への資金流入を促しているものの、一時的な関税停止や二国間交渉により持続的なボラティリティの高まりは限定的となっている。
今後の見通し
今週後半に予定されているFRB関係者の講演や、米国の経済指標(特に小売売上高と失業保険申請件数)に注目が集まっている。これらが市場の期待感を左右する可能性が高い。 $3,430〜$3,450のレンジを明確に上抜ければ、新たな強気局面が始まり、$3,500を目指す展開が予想される。一方で、$3,310を割り込むと$3,250〜$3,280のゾーンまでの調整リスクが高まる。 地政学リスクや貿易政策の動向は不確定要素であり、関税交渉の予期せぬ進展や悪化が、金相場の短期的な方向性に大きく影響を与える可能性がある。